税務調査

[TAX EXAMINATION]

TAX EXAM.

「まさか、うちにも?」税務調査への漠然とした不安を解消します

相続、事業承継、M&Aなど、お客様の将来をともに考える税理士法人 アクシアです。
今回は、経営者の皆さまや金融機関のご担当者さまにとって、決して他人事ではない「税務調査」について、税理士の視点からお話いたします。

どうして税務調査はやってくるのでしょうか?

「ある日、突然に税務署から電話がかかってきて、税務調査をしたいと言われた…」
こう聞くと、何か悪いことをしたのではないか、と不安になるものです。

しかし、税務調査はすべての会社や個人事業主に可能性がある、ごく一般的なものだと理解しましょう。
国税庁は、申告された内容が正しいかどうか、適正な納税がおこなわれているかを確かめる目的で税務調査を実施しています。調査はランダムに選ばれることもありますし、「売上や利益が急に増えているのに、経費が増えていない」「同業他社と比較して不自然な点がある」といった申告書のデータ分析から、調査の対象として選ばれる可能性もあります。

税務調査の種類と特徴について

税務調査にはいくつか種類があり、それぞれ調査官の目的やアプローチが異なります。この違いを知ることは、事前準備に役立ちます。

1. 任意調査

私たちがもっとも一般的に「税務調査」と呼ぶのがこの任意調査です。
法律上は「任意」とされていますが、調査官の求めに応じない場合、追加の税金が膨らんだり、より厳しい調査に移行したりする可能性があるため、実質的には応じることが前提となります。

この調査は、原則的に事前に電話で連絡が入ります。調査の目的や日時、準備すべき書類が伝えられます。申告内容に不審な点がある、あるいは過去数年間にわたって調査を受けていない事業者が主な対象となります。

2. 簡易な接触(「お尋ね」)

正式な実地調査ではなく、電話や文書で申告内容について簡単な確認を求められるものです。
この「簡易な接触」は、納税者本人に直接連絡が来ます。そのため、税理士に相談せず、安易に回答してしまいがちです。

しかし、些細な質問だと思っても、回答次第では本格的な税務調査に発展する可能性があります。安易な回答は避け、必ず顧問税理士に相談するべきです。

3. 強制調査(査察)

脱税の疑いが非常に強く、裁判所の令状に基づいて実施されるものです。

この調査は、事前通知が一切ありません。抜き打ちで、通常は複数の査察官が同時に事業所や自宅に立ち入ります。
証拠書類やデータを差し押さえるなど、厳格な捜査が実施されます。対象となるのは、悪質かつ大規模な脱税行為が疑われる事業者に限定されます。

法人税の税務調査の流れと実績について

税務調査は、一般的に次の流れで進みます。この流れを事前に把握しておけば、心の準備が整います。

  • 1.事前通知の電話調査終了からおよそ一か月後に、修正申告や追加で納める税金の有無が知らされます。
  • 2.調査当日調査終了からおよそ一か月後に、修正申告や追加で納める税金の有無が知らされます。
  • 3.質疑応答調査終了からおよそ一か月後に、修正申告や追加で納める税金の有無が知らされます。
  • 4. 調査結果の通知調査終了からおよそ一か月後に、修正申告や追加で納める税金の有無が知らされます。
  • 5. 修正申告・納付もし指摘事項に問題があった場合は、速やかに修正申告をおこない、不足分の税金と延滞税などを納付します。

【令和5事務年度の法人税調査事績】

国税庁が公表した令和5事務年度(令和5年7月から令和6年6月)の法人税などの調査事績は、次のとおりです [出典:国税庁「令和5事務年度法人税等の調査事績の概要」]。

  • 実地調査件数:5万9千件
  • 申告漏れ所得金額:9,741億円
  • 追徴税額:3,197億円
  • 調査1件あたりの追徴税額:549.7万円

特筆すべきは、実地調査件数は減っているにもかかわらず、申告漏れ所得金額は前の年度に比べて124.9%と増加していることです。調査1件あたりの追徴税額も549.7万円と、前の年度から増加しています。これは、国税庁が件数よりも、より悪質で多額な不正をターゲットにしていることを示しています。

相続の場合の税務調査の流れと実績について

相続税の税務調査も、法人税と同様に、事前に通知されるのが一般的です。しかし、中には「臨宅調査(自宅への訪問調査)」として、予告なしに訪問されるケースも存在します。 相続税の税務調査で特によく見られるのは、「名義預金」や「へそくり」といった、被相続人(故人)の財産が申告から漏れているケースです。調査官は、被相続人の過去の預金取引や相続人名義の預金口座を細かく調べていきます。 国税庁が公表した令和5事務年度の相続税の調査状況は次のとおりです
[出典:国税庁「令和5事務年度における相続税の調査等の状況」]。

  • 実地調査件数 : 8,556件(前の年度に比べて104.4%)。
  • 申告漏れなどの非違件数 : 7,200件。
  • 追徴税額合計 : 735億円(前の年度に比べて109.8%)。
  • 1件あたりの追徴税額 : 859万円。

【申告漏れ財産の構成比】 申告漏れのあった財産の中で最も多かったのは「現金・預貯金など」で、全体の63.9%を占めています。次に「有価証券」が14.4%、「その他」が17.0%となっています。これは、名義預金やタンス預金が依然として多くの調査で指摘されている可能性があります。

追徴課税の恐ろしさ — 延滞税・加算税とは?

税務調査の結果、もし申告内容に誤りが見つかった場合、不足分の税金を納めるだけでなく、延滞税や加算税というペナルティが課せられます。このペナルティは、非常に大きな負担となることがあります。

延滞税

延滞税は、税金の納付が遅れたことに対する利息のようなものです。納付期限の翌日から実際に納付する日までの日数に応じて課税されます。

加算税

加算税は、納税の義務を怠ったことに対する行政罰です。申告内容の不備や隠蔽といった悪質性に応じて、種類と税率が異なります。

  • 過少申告加算税 : 申告額が少なかった場合に課されるもので、不足分の税額の10〜15%が課税されます。
  • 無申告加算税 : 期限までに申告をしなかった場合に課されるもので、納付すべき税額の15〜20%が課税されます。
  • 重加算税 : 意図的に所得を隠したり、不正に経費を計上したりした悪質なケースに課されるもので、過少申告や無申告の場合、不足分や納付すべき税額の35〜40%と非常に重い税率が適用されます。

これらの追徴課税は、単に税金を払い忘れたことに対する「罰」ではありません。
本来納めるべき税額に加え、会社のキャッシュフローを大きく圧迫する可能性のある「重荷」となります。

税理士の役割と選ぶポイントについて

税務調査は、経営者にとって大きな精神的負担を伴います。
突然の連絡、何を準備すべきかわからない戸惑い、そして当日の調査官とのやり取り。これらすべてを一人で対応することは非常に難しいです。
そこで、ぜひ検討していただきたいのが「税理士の立ち会い」です。税務調査に税理士が立ち会うことには、多くのメリットがあります。

税務調査における税理士の役割

  • 事前準備のサポート : 税務署から連絡があった際、必要な書類や想定される質問への対応策について、専門的な助言を受けられます。これにより、万全の体制で税務調査に臨むことが可能です。
  • 心理的負担の軽減 : 調査当日は、調査官からの質問攻めに遭い、精神的に疲弊してしまう経営者も少なくありません。税理士が同席することで、質問への回答を任せることができ、経営者自身の心理的プレッシャーを大きく減らすことができるのです。
  • 不要な追徴課税の回避 : 調査官の指摘がすべて正しいとは限りません。経費計上や申告内容について、税法上の根拠を基に反論できる場合もあります。税理士は、税務調査のプロとして、不当な指摘に対しては毅然と交渉し、不要な追徴課税を避けるよう尽力します。
  • スムーズな修正申告 : 万が一、申告内容に誤りが見つかり、修正申告が必要になった場合でも、税理士が修正申告書の作成・提出までサポートします。これにより、経営者は本業に集中しながら、すべての手続きをスムーズに進めることができます。

良い税理士を選ぶためのチェックポイント

税理士を選ぶ際には、以下の点をチェックすると良いでしょう。

  • 書面添付制度を積極的に活用しているか。
  • 税務調査の経験が豊富か。
  • 質問に的確かつ分かりやすく答えてくれるか。
  • コミュニケーション能力が高いか。

「書面添付」と「意見聴取」があなたの会社を守る

経営者の皆さまにとって、税務調査は時間や労力、そして精神的な負担を伴うものです。できれば避けたい、そう思われる方も多いでしょう。
そこで知っておいていただきたいのが「書面添付制度」と「意見聴取制度」です。これは、税務調査のリスクを大きく軽減する、非常に重要な制度です。

【書面添付制度】

これは、税理士法第33条の2第1項に定められていて、税理士が税務申告書を作成する際に、その内容が正しいことを確認した事項を記載した書面を申告書に添付する制度です。
この書面を添付することは、税理士が税法の専門家として、申告書の内容に責任を持つという意思表示となります。

【意見聴取制度】

税理士法第35条に定められたこの制度は、書面添付をおこなった場合に適用されます。

税務署が申告書に不審な点を見つけた場合、いきなり納税者への税務調査に入るのではなく、まず申告書を作成した税理士に対して意見を聴くことが義務付けられています。
この「意見聴取」によって、税務署からの疑問点に対し、税理士が書面を基に論理的な説明をおこなうことで、疑問が解消されれば税務調査が省略されることも珍しくありません。

書面添付はまだ少ないのが現状です

書面添付は、納税者にとって非常にメリットの大きい制度ですが、残念ながら添付されている申告書はまだ多くありません。
国税庁の発表によると、令和5年度の書面添付の添付割合は次のとおりです [出典:財務省「令和5年度 国税庁における政策評価の実施状況」]。

  • 所得税 : 1.5%
  • 相続税 : 24.3%
  • 法人税 : 10.0%

これは、書面添付を作成するには、通常の申告書作成以上に多くの時間と手間がかかるため、書面添付制度を導入している税理士事務所が少ないことが一因です。

税理士法人 アクシアの「書面添付」へのこだわり

税理士法人 アクシアでは、所定の要件を満たしたお客様については、原則として全件に書面添付を実施しています。
これは、お客様に安心して本業に専念していただきたいという私たちの強い思いがあるからです。

手間と時間を惜しまず書面添付をおこなうことで、お客様の税務調査のリスクを減らし、経営に集中できる環境づくりをサポートしています。
税務調査についてお悩みの方、顧問税理士との関係に不安がある方、ぜひ一度、私たち税理士法人 アクシアにご相談ください。専門家として、皆さまの事業を力強く支援させていただきます。