お店の現状を正しく理解するには、感覚ではなく、「数字」という客観的なデータで判断することが不可欠です。しかし、多くの経営者が「数字は苦手だ」と感じています。まずは、以下の数字を把握するところから始めましょう。
月ごとの決算でリアルタイムに現状を把握する
「決算は年に一度だけ」というお店も多いでしょう。それでは対策が手遅れになることがあります。毎月の「月次決算」を行うことで、お店の売上や利益、経費の状況をリアルタイムで把握できます。これにより、「今月は客数が少なかったので、来月は宣伝に力を入れよう」「このメニューは原価率が高いので、仕入れ先を見直そう」といった、迅速な経営判断が可能になります。
月次決算から得られるデータは、単なる数字の羅列ではありません。それは、お店の「健康診断書」です。この診断書を定期的にチェックすることで、病気の兆候を早く見つけ、手遅れになる前に対応することができます。
日々のデータ管理で未来が見える
日々の業務に追われ、「今日はどれだけ売れたか」を確認するだけで精一杯ではないでしょうか?
税理士法人 アクシアは、そんな忙しい飲食店の経営者さまをサポートするため、レジと会計システムを連動させるご提案をしています。このシステムを導入すれば、レジを閉めた後に売上データを自動で会計システムへ送るだけ。毎日たったこれだけの作業で、お店の状況を正確に把握できるようになります。
データの活用事例
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①前年同期間との比較: たとえば、今日が8月20日だとします。まずは、今年の8月1日から20日までの売上を、去年の同じ期間と比べてみましょう。「昨年よりも売上が〇〇円増えた」「客単価が〇〇円下がった」といった具体的な数字が見えてきます。これにより、何がうまくいっているのか、あるいは改善すべき点はどこかがすぐにわかります。
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②今月の目標との比較: 次に、今月の目標予算と、これまでの売上を比較してみます。「今月は予算まであと〇〇円足りない」「このままでは目標達成が難しい」といった現状がはっきりします。その結果、「月末までにあとどれくらい頑張ればいいか」という具体的な目標が見えてくるのです。
このように、日々のデータをきちんと管理すれば、「今の状況を正確に把握すること」はもちろん、「未来を予測し、具体的な対策を立てること」も可能になります。
正確なデータは、あなたの経営判断を力強く支える羅針盤となります。私たちは、データの活用方法から経営改善のアドバイスまで、一貫してサポートいたします。
飲食店の鍵を握る「FL比率」とは?
飲食店の経営で、特に重要視されるのが「FL比率」です。
これは、「Food(食材にかかる費用)」と「Labor(人件費)」の頭文字を取った言葉で、売上高に占める食材費と人件費の合計額の割合を示します。
FL比率 = (食材費+人件費)÷ 売上高 × 100
一般的に、飲食店のFL比率の目安は50〜60%と言われます。もし、この数字が目安を大きく超えている場合、どこかに改善できる余地があると考えられます。
食材費(F)を改善する
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仕入れを見直す : 複数の業者から見積もりを取り、より安価な仕入れ先を探すことは、コスト削減の最も効果的な手段の一つです。食材の品質と価格のバランスを常に確認することも重要です。
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廃棄ロスを減らす : 季節や天気、曜日によって売れ行きを予測し、仕入れ量を調整するだけでなく、余った食材を別のメニューに活用するなどの工夫も有効な手段です。
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メニューの価格を適正にする : 原価率を考慮し、提供価格を再設定することは、お店の利益を確保するために不可欠です。ただ価格を上げるだけでなく、メニューの魅力を高めることも重要です。
人件費(L)を改善する
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シフトを最適にする : 忙しい時間帯とそうでない時間帯を分析して、最適な人員配置を行い、無駄な待機時間を減らせば、人件費を効率的に使えます。
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多能工化 : 従業員が調理補助から接客、レジ業務まで複数の業務をこなせるように教育することで、人件費を最適化できます。
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業務を効率化する : クラウド会計やPOSレジを導入して、日々の事務作業の時間を短くし、従業員が本来の仕事に集中できる環境を整えることも重要です。
お店の存続を左右する「損益分岐点」
損益分岐点とは、「売上高と費用がちょうど同じ金額になり、利益も損失もゼロになる売上高」です。この数字を把握することで、「1日に〇〇円の売上がなければ赤字になる」という基準が明確になります。
損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ {1 - (変動費 ÷ 売上高)}
この数字を常に意識することで、売上が目標に届いていない時に、「あとどれくらい頑張れば利益が出るか」が分かり、具体的な行動につなげることができます。